旅先の金沢で、ふと立ち寄った茶房で口にした「棒ほうじ茶」。
湯気とともに立ち上る香ばしさに、思わず息を止めてしまうほどの心地よさがありました。
飲んだ瞬間、渋みのないまろやかな味わいが広がり、「これが本物のほうじ茶か」と、静かな感動が胸に残りました。
今回はそんな体験から、「ほうじ茶」と「棒ほうじ茶」の違いや魅力、そして毎日の生活に取り入れたい理由を紹介します。
☕ そもそも「ほうじ茶」とは?
ほうじ茶は、煎茶や番茶などを強火で焙じ(ほうじ)た日本茶です。
焙煎によってカフェインが飛び、渋みが和らぐため、子どもからお年寄りまで飲みやすいお茶として親しまれています。
- 香ばしい香り
- まろやかな口当たり
- 胃にやさしく、寝る前にも飲める
という特徴から、今ではコーヒー代わりに飲む人も増えています。
🌿 「棒ほうじ茶」とは?——金沢生まれの“香りの芸術”
「棒ほうじ茶」は、ほうじ茶の中でも特別な存在。
その名の通り、お茶の茎(棒)だけを焙煎したものです。
通常のほうじ茶が茶葉を焙じて作られるのに対し、棒ほうじ茶は茎の部分のみを使用。
これにより、より甘く、芳ばしく、軽やかな香りが生まれます。
金沢の老舗「丸八製茶場」が発祥と言われ、
今では“金沢の香り”として全国に広がっています。
ほうじ茶が「落ち着きの香ばしさ」なら、棒ほうじ茶は「凛とした香ばしさ」。
一口で気分が切り替わるような、澄んだ香味が魅力です。
🍃 健康効果もすごい!——ほうじ茶の3つの力
- カフェイン控えめで、リラックス効果
- 焙煎によってカフェインが減少。
- 寝る前や妊婦さんでも安心して飲める。
- 胃腸にやさしい
- タンニン(渋み成分)が少なく、胃を刺激しにくい。
- 食後のお茶にぴったり。
- 抗酸化作用でアンチエイジング
- ポリフェノールが豊富で、体のサビを防ぐ。
- 近年では“美容茶”としても注目。
🍶 自宅でできる「棒ほうじ茶の楽しみ方」
1. お湯の温度は90〜95℃
棒ほうじ茶は香りが命。
熱めのお湯でしっかり抽出すると、香ばしい香りが立ち上がります。
2. 牛乳と合わせて「ほうじ茶ラテ」
- 茶葉を濃いめに煮出して、温めたミルクと1:1で割る
- はちみつや黒糖を加えると、優しい甘みが広がる
スターバックスやコンビニでも人気の「ほうじ茶ラテ」は、
自宅でも簡単に再現できます。
3. アイスで楽しむ「水出し棒ほうじ茶」
- 茶葉10gに対し、水500ml
- 冷蔵庫で一晩おくだけ
夏はすっきり、冬はホットで。
一年中楽しめる万能なお茶です。
🫖 おすすめの棒ほうじ茶ブランド
- 丸八製茶場(石川)「献上加賀棒茶」
金沢発祥。上品で澄んだ香りが特徴。贈答にも最適。 - 一保堂茶舗(京都)「極上ほうじ茶」
伝統的な焙煎技術で、甘香ばしくまろやか。 - 中村藤吉本店(宇治)「茎ほうじ茶」
香ばしさの中にほんのりとした甘み。スイーツにもよく合う。
🌸 まとめ:香りで心を整える、日本の知恵
コーヒーや紅茶のように刺激ではなく、
「静かに気持ちを整える」力を持つのが、ほうじ茶や棒ほうじ茶の魅力です。
金沢で出会った一杯の棒ほうじ茶は、
“香りでリセットする”という新しいお茶の楽しみ方を教えてくれました。
忙しい日々の中で、
ほんの5分、湯気の向こうにある静けさを味わってみませんか?

コメント