お気に入りのレザージャケット、財布、バッグ、靴。
時間とともに味わいが増すのが「本革(レザー)」の魅力ですが、その美しさを保つには、日頃のケア が欠かせません。
今回は、レザー製品を長く愛用するための基本の手入れ方法と、プロも実践するメンテナンスのコツを紹介します。

■ レザーの手入れは「乾燥」と「汚れ」を防ぐことから
革は「呼吸する素材」とも言われるように、生きていたときの皮膚と同じように、水分や油分が抜けていくと乾燥・ひび割れが起こります。
また、放置すると汚れが染み込み、カビや変色の原因にもなります。
そのため、定期的に油分と保湿を与えることが大切です。
■ 手入れの基本ステップ(どんなレザーにも共通)
① 表面のほこりを落とす
柔らかいブラシ(馬毛ブラシがおすすめ)で全体を優しくブラッシングします。
この段階でほこりや砂を取り除いておくと、次のクリームがムラなく塗れます。
👉 ポイント:力を入れず、ブラシを滑らせるように。縫い目や溝も丁寧に。
② 乾いた布で軽く拭く
マイクロファイバーや綿の柔らかい布で、軽く乾拭きします。
手の油や汚れを落とすと同時に、自然なツヤが出ます。
③ レザー用クリーナーで汚れを落とす
黒ずみや指跡が気になる場合は、革専用のクリーナーを使いましょう。
布に少量を取り、優しく円を描くように拭きます。
👉 注意:アルコール入りのウェットティッシュなどは絶対NG。
革の油分を奪い、ひび割れや色落ちの原因になります。
④ 保湿・栄養クリームを塗る
革の種類に合ったレザークリーム(ミンクオイルや乳化性クリームなど)を薄く伸ばします。
クリームは「塗る」というより「なじませる」イメージで。
👉 ポイント:塗りすぎは逆効果。
ベタつきやカビの原因になるため、米粒大を少しずつが基本。
⑤ 乾かしてから、柔らかい布で磨く
風通しの良い日陰で15〜30分ほど休ませ、革に油分を吸収させます。
その後、乾いた布で全体を磨くと、しっとりとしたツヤが生まれます。
■ 保管方法のコツ
- 直射日光・高温多湿を避ける
→ カビや変色、型崩れの原因になります。 - 風通しの良い場所に収納
→ バッグは詰め物をして形をキープ。 - ビニール袋ではなく布袋に入れる
→ 通気性を保ち、湿気を逃がすことができます。
■ レザーの種類別ケアポイント
種類 | 特徴 | ケアのコツ |
---|---|---|
スムースレザー | ツルツルした一般的な革 | 定期的にクリームで保湿 |
ヌメ革 | 色変化を楽しめるナチュラルレザー | 水に弱いので防水スプレー必須 |
スエード/ヌバック | 起毛した柔らかい革 | クリームはNG。防水スプレー+ブラッシングでケア |
エナメル | 光沢加工された革 | 専用クリーナーでツヤを守る |
■ レザーケアにおすすめのアイテム
- M.モゥブレィ プレステージ クリームエッセンシャル
→ 初心者にも使いやすい万能クリーム。ほぼ全てのレザーに対応。 - コロニル 1909 シュプリームクリームデラックス
→ 高級レザー製品向け。少量で深いツヤが出る。 - 馬毛ブラシ(ペネトレイトブラシなど)
→ 日常のブラッシングに最適。
■ まとめ 〜革を“使いながら育てる”〜
レザー製品は、手入れを重ねるごとに深みが増していく**「育てる素材」**。
時間が経つほどに、あなたの手に馴染み、唯一無二の風合いを帯びていきます。
汚れを落とし、栄養を与え、ツヤを磨く。
その繰り返しこそが、革を「自分だけの相棒」にしていく過程です。
忙しい毎日の中でも、時々レザーを磨くひとときを。
それは、物を大切に扱う心を思い出させてくれる時間になるはずです。

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